特定空家とは?認定基準や認定された場合のリスクを解説

2024-11-19

特定空家とは?認定基準や認定された場合のリスクを解説

この記事のハイライト
●特定空家とは空き家対策特別措置法に基づいて市町村から認定された「改善が必要な空き家」のこと
●認定基準は保安上の危険性がある・衛生上有害な状態・景観を損ねる状態・周辺環境を脅かす状態の4つ
●認定されると固定資産税の減税措置が適用外になる・過料が科される・強制解体されるリスクがある

所有している空き家は、適切に管理しないと「特定空家」に認定される可能性があります。
特定空家に認定されると、自治体から改善指導を受け、対応しない場合にはペナルティが科されることもあるので注意が必要です。
本記事では、特定空家とはなにか、特定空家の認定基準や認定された場合のリスクについて解説します。
山口県防府市で空き家を所有している方は、ぜひ参考にご覧ください。

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特定空家とはどんな空き家?

特定空家とはどんな空き家?

日本では空き家が増え続け、社会問題となっています。
総務省がおこなう住宅・土地統計調査(平成25年度)によると、過去20年間で空き家の総数は約1.8倍に増加しており、448万戸から820万戸へと増加しました。
空き家の内訳を詳しく見ると、賃貸や売却を目的とした住宅を除いた「その他の住宅」(一般的に「その他空き家」と呼ばれる)の数が、この20年で2.1倍に増え、149万戸から318万戸へと増加しています。
また、「その他の住宅」のなかでもっとも多いのは木造の一戸建て(220万戸)です。
空き家の増加問題に対処するため、国や自治体では様々な対策を進めています。
対策の一環として、2015年に「空家等対策特別措置法」が施行され、倒壊の危険や周囲に悪影響を及ぼす空き家が特定空家として認定されるようになりました。

特定空家とは

特定空家とは、放置によって建物が危険な状態にあるか、周囲に迷惑をかけている空き家のことです。
たとえば、建物が倒壊する恐れがある、衛生的に問題がある、あるいは景観を損ねている場合などがこれに該当します。
空き家が特定空家に認定されると、自治体からの指導や助言を受けることになります。
自治体の指導や助言に従わない場合、ペナルティが科されるため注意が必要です。

通常の空き家と特定空家の違いとは

空家対策特別措置法によれば、通常の空き家と特定空家は所有者の責任内容が異なります。
通常の空き家の場合、所有者は、周囲に悪影響を与えないように管理をしっかりおこなう責任があります。
たとえば、建物が劣化して倒壊しないように保全することや、庭の手入れなどです。
一方、特定空家の場合、より厳しい措置が求められます。
所有者は、建物の撤去や修繕、植木の伐採など、自治体から指示されるさまざまな改善活動をおこなう必要があります。
もし改善措置を取らない場合、固定資産税の優遇措置が剥奪されたり、過料が科されたりなど、ペナルティが発生するため、注意が必要です。
つまり、通常の空き家では所有者が自発的に管理する必要がありますが、特定空家の場合は自治体が積極的に介入し、必要な改善を指導します。
特定空家の認定を解除するには、問題点をしっかりと解決することが必要です。

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特定空家の認定基準とは?

特定空家の認定基準とは?

特定空家は「空家等対策特別措置法」に基づいて、その空き家がある地域の市町村が認定します。
具体的には、以下のような基準で認定されます。

認定基準①保安上の危険がある場合

建物が傾いている、倒壊する可能性があるなど、安全上のリスクが高い空き家は特定空家に認定されやすいです。
また、建築物の重要な構造部分に損傷がある場合も挙げられます。
このような空き家は、近隣住民や通行人に危険をもたらすため、速やかな対策が必要です。

認定基準②衛生上有害な状態がある場合

空き家にゴミが放置されていたり、不法投棄がおこなわれていると、ねずみや害虫が繁殖し、近隣住民の生活に悪影響を及ぼす場合があります。
さらに、建物の破損からアスベストが飛散するリスクがある状態や、浄化槽の破損による異臭が発生している場合も、衛生上有害と判断されます。
これらの問題は公衆衛生を脅かすため、自治体は空き家所有者に対して害虫駆除や設備の修繕を通じて改善を求めるのです。

認定基準③景観を著しく損なっている場合

空き家が周囲の景観に調和していない状態も特定空家の認定基準です。
たとえば、外壁や屋根が落書きで汚れていたり、窓ガラスが割れたままの状態で放置されていたりする場合、特定空家に認定される可能性があります。
さらに、敷地内にゴミが散乱していたり、建物が草木で覆われている場合も、景観を損なっていると判断されます。
これらの状態は周囲の環境にマイナスの影響を与えるため、改善が求められるのです。

認定基準④周辺の生活環境の保全を脅かす状態の場合

たとえば、放置された空き家が野生動物の住処となり、近隣住民の日常生活に支障を及ぼしている場合や、不適切な管理が原因で犯罪の温床となっている場合も特定空家に認定されます。
空き家は監視が行き届かないため、放火や不法侵入など、犯罪に利用されやすい状況になりがちです。
周囲に迷惑をかけるか、生活環境に悪影響を及ぼすような状態であれば、特定空家として認定されます。
なお、令和5年12月13日施行の改正法では、特定空家化を未然に防ぐ管理についても定められました。
具体的には、管理が行き届いていない空き家(管理不全空家)が特定空家になることを防ぐため、市区町村長から管理指針に基づく指導や勧告がおこなわれます。
勧告を受けた管理不全空家には、通常適用される固定資産税の住宅用地特例(税額を1/6に減額するなど)が解除される可能性があります。

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特定空家に認定されるリスクとは?

特定空家に認定されるリスクとは?

もし所有している空き家が特定空家に認定された場合、いくつかのリスクが生じることがあります。
主なリスクは、以下の3つです。

リスク①固定資産税の優遇措置が受けられなくなる

特定空家に認定されると、最初に行政から空き家の管理に関する助言や指導を受けます。
もし改善が見られない場合は「勧告」が下されます。
この勧告を受けた後も改善がない場合、これまで受けていた固定資産税の優遇措置が失われるため、注意が必要です。
たとえば、住宅用地の特例によって固定資産税の税額が軽減されていた場合、改善がないと適用ができなくなり、固定資産税が大幅に増加する可能性があります。

リスク②50万円以下の過料が科せられる

勧告後も改善がない場合、自治体から「命令」が発されます。
この命令に従わない場合、所有者には最大で50万円以下の過料が科されるため注意が必要です。
過料は、空き家の問題を解決するための法的な罰則であり、経済的な負担となります。

リスク③行政代執行による強制解体

命令に従わず改善が見られない場合、行政は行政代執行によって空き家を強制的に解体することがあります。
行政代執行とは、所有者の代わりに行政が直接、問題の解決をおこなうことです。
解体された場合、費用はすべて所有者が負担することになり、経済的な負担が大きくなる可能性があります。
このように、特定空家に認定されると重大なペナルティがともなうため、迅速な対応が求められます。
空き家の所有に困っている場合は、売却を検討するのも1つの解決策です。
空き家を売却すると、維持管理の手間やコストを省くことができ、特定空家に認定されるリスクも回避できます。

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まとめ

特定空家とは、空き家対策特別措置法に基づいて市町村から認定された「改善が必要な空き家」のことです。
認定基準は主に、保安上の危険性や衛生上有害な状態、景観を損ねる状態や周辺環境を脅かす状態の4つです。
認定されると、固定資産税の減税措置が受けられなくなったり、強制解体されたりするリスクがあるため、ご注意ください。
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