空き家の固定資産税が6倍に増税される?流れと対策について解説

2024-06-18

空き家の固定資産税が6倍に増税される?流れと対策について解説

この記事のハイライト
●2023年の法改正により「管理不全空家」も固定資産税が6倍(実質4.2倍)になる
●自治体の指示を無視すると最終的に行政代執行が実施される
●固定資産税が上がるのを防ぐには空き家を売却するのがおすすめ

空き家は、活用していなくても所有しているだけで固定資産税が発生します。
さらに、管理がおこなわれていない空き家は、固定資産税が6倍(実質4.2倍)に増税される恐れがあることをご存じでしょうか。
そこで今回は、空き家の固定資産税増税や、6倍(実質4.2倍)になる流れと対策について解説します。
山口県防府市で空き家を所有している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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空き家の固定資産税が6倍に増税される!その条件とは

空き家の固定資産税が6倍に増税される!その条件とは

少子高齢化・核家族化が進む日本では、利用されずに放置された空き家が増え続け、大きな社会問題となっています。
放置された空き家は、火災や倒壊などさまざまなリスクが生じます。
そこで、空き家の増加を食い止めるべく、国は「空家等対策特別措置法」を2015年に施行し、対策を講じてきました。
「空家等対策特別措置法」により、そのままにしておくのは危険だと自治体が判断した空き家は、「特定空家」に指定され、「住宅用地の軽減措置」が適用されなくなります。

「住宅用地の軽減措置」とは

土地や建物といった不動産を所有している方は、毎年、課税標準額×1.4%の固定資産税が課されます。
そのうち、住宅が建っている土地については、税金が減額される制度があります。
これを「住宅用地の軽減措置」といい、具体的な計算式は以下のとおりです。

  • 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)…課税標準額×1/6×1.4%
  • 一般住宅用地(200㎡を超える部分)…課税標準額×1/3×1.4%

たとえば、課税標準額が1,000万円の小規模住宅用地の場合、「1,000万円×1/6×1.4%」で、23,333円の固定資産税が課されるのです。
特定空家は減額されない
先述のとおり、特定空家は「住宅用地の軽減措置」が適用されません。
したがって、課税標準額そのままに対して税率が課されます。
たとえば、同じく課税標準額が1,000万円の特定空家の場合、「1,000万×1.4%」で、固定資産税は14万円です。
つまり、1/6になる軽減措置がないため、特定空家以外の住宅用地と比べ、固定資産税が6倍(実質4.2倍)に上がることになるのです。

2023年の法改正で増税の対象が拡大された

「空家等対策特別措置法」では、固定資産税増額の対象は、「特定空家」のみでした。
しかし、2023年の法改正で、「管理不全空家」も対象とすることが決まったのです。
まず、特定空家に指定される条件は、以下の4つです。

  • そのまま放置すれば倒壊など保安上危険となる恐れがある
  • そのまま放置すれば衛生上有害となる恐れがある
  • 適切な管理がおこなわれていないことにより景観を損なっている
  • 周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である

すでにこのような状態になっている空き家にくわえ、以下のような空き家を「管理不全空家」に指定することで、空き家対策を強化することになったのです。
管理不全空家…放置すれば「特定空家」になる恐れがある空き家
たとえば、窓が割れたままになっている、敷地内に雑草が生い茂っているなど、管理がおこなわれていない状態の空き家も、「住宅用地の軽減措置」が適用されません。
つまり、固定資産税が6倍(実質4.2倍)になる空き家が増えることになります。

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空き家の固定資産税が6倍に跳ね上がる流れ

空き家の固定資産税が6倍に跳ね上がる流れ

「特定空家」や「管理不全空家」に指定されると、固定資産税が6倍(実質4.2倍)となる恐れがあることを前章で解説しましたが、指定されたすぐに税金が上がるわけではありません。
そこで次に、「特定空家」や「管理不全空家」の固定資産税はいつから上がるのか、その流れについて解説します。

「特定空家」や「管理不全空家」に指定されたあとの流れ

「特定空家」や「管理不全空家」に指定されると、以下のような流れで手続きが進みます。

  • 助言・指導
  • 勧告
  • 命令
  • 行政代執行

自治体による調査の結果、「特定空家」や「管理不全空家」に指定されると、まず所有者に対し、不適切な状態を是正し、空き家を適切に管理するよう「助言・指導」がおこなわれます。
たとえば、破損した箇所の修繕や解体をすすめられるなどです。
「助言・指導」を受けても対処しない場合は、「勧告」がなされます。
「勧告」は、「助言・指導」よりも強い措置です。
「勧告」に従わない場合は、さらに強い措置である「命令」がなされ、「命令」に従わない場合は、違反となり、50万円以下の過料が課されます。
この「命令」を無視した場合は、最終的に行政代執行が実施され、強制的に空き家を解体される可能性があります。
そして、その解体費用は所有者負担です。
つまり、所有していた空き家を失うだけでなく、多額の費用を請求されることになるのです。

固定資産税が上がるのはいつから?

「特定空家」や「管理不全空家」の固定資産税が6倍(実質4.2倍)に上がるのは、先述した流れの「勧告」を受けたタイミングです。
「勧告」の時点で、「住宅用地の軽減措置」の対象から外れ、翌年の固定資産税から、200㎡以下の小規模住宅用地の場合で、1/6の減額が適用されなくなります。

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空き家の固定資産税が6倍に増税されるのを回避する対策

空き家の固定資産税が6倍に増税されるのを回避する対策

空き家を放置すると、無駄な固定資産税を支払わなければならないだけでなく、「住宅用地の軽減措置」の対象外となると、税額が跳ね上がり、大きな負担となります。
では、どうすればそのような事態を回避できるのでしょうか。
そこで最後に、固定資産税が6倍(実質4.2倍)になるのを防ぐ対策について解説します。

対策1:自治体の指示に従う

そもそも、空き家の所有者には、適切な管理をおこなう義務があります。
しかし、管理ができず「特定空家」や「管理不全空家」に指定されてしまった場合は、自治体の指示に従うことが大切です。
「指導・助言」の段階で状態が改善すれば、「特定空家」や「管理不全空家」の認定は解除されるため、この時点で対処しましょう。

対策2:そのまま売却する

将来空き家を活用する予定がないのであれば、所有し続けることにあまりメリットはありません。
維持費や税金がかかり続けるため、空き家を売却して現金化することをおすすめします。
築年数が古い空き家でも、そのまま残して「古家付き土地」して売却することもできます。
ただし、空き家の状態や立地条件によっては、買主が見つかりにくいかもしれません。
その場合は、不動産会社の買取を利用するのも方法の1つです。
買取は、買主を探す必要がなく、現金化が早いため、売却しにくい空き家は、買取も視野に入れて検討しましょう。

対策3:解体して売却する

空き家の状態によっては、解体したほうが良い場合もあります。
空き家に定期的に訪れることが困難な場合は、空き家を解体して更地にすれば、「特定空家」や「管理不全空家」に指定されることはありません。
また、解体して更地にすることで、住宅を新築するための土地や新規店舗用の土地、駐車場など、用途が増えるため、ターゲットの幅も広がります。
ただし、更地にすると「住宅用地の軽減措置」が受けられず、固定資産税が跳ね上がります。
売却活動が長引くと、多額の固定資産税がかかり続けるため、注意が必要です。

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まとめ

空き家は、所有しているだけで固定資産税が課され、「空家等対策特別措置法」により、放置すると固定資産税が6倍(4.2倍)になる「特定空家」が設けられていました。
しかし、2023年の法改正により、「特定空家」になる恐れがある「管理不全空家」が新設され、「住宅用地の軽減措置」の対象外とすることが決まっています。
多額の固定資産税が課されるのを回避するために、空き家を放置せず、売却して現金化することを早急に検討しましょう。
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